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経理統括部 グローバル経理グループ 林 宏興
2012年4月新卒入社。経理部で単体決算・連結決算業務に携わった後、M&Aチームに経理メンバーとして参画し、RECRUITのグローバル展開を加速させる一翼を担う。大学時代はクラブが好きで、DJをしていた。今も社内イベントでDJをすることがある。
2014年10月16日、リクルートホールディングスが東証一部に上場した。その約2週間前となる10月1日、私はM&Aチームの一員となり、入社3年目で大型M&A案件に携わることとなった。ターゲットは、英国のHotspring Ventures。欧州で「Wahanda」というオンライン美容予約サービスを展開する会社だ。念願のクロスボーダーM&Aプロジェクトに参画できる喜びと興奮を覚えながら、私は会議室のドアを開けた。プロジェクトメンバーは、事業の役員や担当者、投資マネジメント、法務、財務、そして弁護士事務所や証券会社など外部アドバイザリーの方々…多くのメンバーが顔を揃え、案件の大きさを感じさせた。その会議では、買収における税務上のリスクについて議論が交わされていたのだが、私だけ議論の輪の中に入ることができない。会議の場で当然のように話されている言葉の意味が、私には全く理解できなかったのだ。

ある日、転機が訪れた。外部の法律事務所から出向していた方が必死に契約書を精査している姿を目にしたのだ。「先生がそんなに一生懸命に頑張れる原動力は何ですか?」と問うと、「このプロジェクトを成功させようと、目の前で苦しんだり困ったりしている人たちの力になりたい」とおっしゃった。その時、私は目が覚めた。知識が足りない自分が発揮できる価値は何か、自分にできることを探さなければ。経験に乏しい自分は、スタンスでカバーするしかない。その後の私は各領域の先輩たちに積極的に質問を投げかけ、契約書で理解に自信がない個所などについてはパートナーの監査法人や法律事務所にも直接電話し、「こういう認識で合ってますでしょうか?」と訊くようにしていった。すると事業や先輩メンバーたちも経理観点での判断が必要となる際には、私に意見を求めてくるようになった。入社1年目・2年目での経験が私を支えた。
M&Aも終盤を迎えた頃、交渉が止まりかける事態が発生した。事業の想いを強く知る私は、監査法人方々の協力を取り付け、会計処理の仕方により問題の回避が可能かを必死に検討した。結果的に、私の提案した対応策が採用され、交渉は動き出し、無事契約締結を迎えることができた。当初は全く存在価値を示せなかった自分が、重要な局面でひとつのソリューションを提供できた。外部のパートナーも巻き込みながら、事業のスピード感を止めないように、自分が出せる答えを全力で見出して提示するよう努めたこと。それが自分の価値発揮につながったのだと思っている。

「目の前の仕事に必死で取り組む」「目の前の仕事に意志を込める」

私は、常にこの2点を大切にして仕事に向き合ってきた。その蓄積が、今の私をつくっている。入社時の夢は、クロスボーダーのM&A業務に携わることだった。学生時代に愛読した金融小説で繰り広げられていたM&Aの世界。そのスケール感がカッコいいと思い、若手でもグローバルM&Aに関わるチャンスがあるRADに入社したのだ。しかし、今では、グローバルM&Aのスケールの大きさには惹かれない。ただ、目の前の人が困っていることに対して全力で取り組みたいと思う。本質的なことは、たとえどんなに小さな仕事であっても、全身全霊で挑んでいくことだと思うから。本当にカッコいいのは、そんな生き方なのだと思う。